アカ凸永久会員(試験合格者)およびアカ凸製作担当のそーちゃんです。
今回は、2021年12月に実施された
令和4年度(2022年度)第Ⅰ回短答式試験の財務会計論
に挑戦してみたので、
その感想を共有したいと思います。
今回の記事の目的は
- 問題の立ち回り方
- 何を思いながら問題を解いているのか
- 解く上で気を付けているポイント
- 解いてみての感想
を紹介することです。
これを見て、
一合格者の考えやレベル感など
を知ってもらえれば嬉しいです。
また、次回の投稿で、
今回の試験を受けての
アカ凸の活用方法
についても紹介したいと思います!
では早速見ていきましょう!
12月短答を受験されていない方はこちらから問題をダウンロードしてみてください。
以降、問題のネタバレも含みますので、「まだ解いてないよ」って方は、全体を一度解いてみてから読み進めてみてください。
今回の問題での立ち回り(そーちゃん流)
まず、立ち回りについてです。
私は受験生時代、まず問題文全体に目を通して、
計算問題については
A(これはいける!)
B(いけそうだけど、時間がかかるから1巡目はパス。)
C(見た目無理そう。よっぽど時間が余らない限りやらない。)」
という三段階で評価をつけてから、
解く順番を決めていました。
私のぱっと見での判断は以下の通りです。
(ぱっと見での判断なので、実際の難易度とは異なります。)
問題 | 論点 | 評価 | 理由 |
3 | 現金預金 | B | 集計系(合わないと焦る)だから |
4 | 本社工場 | C | 無理(見た目も中身も) |
5 | 有形固定資産 | B | 集計系(4つもあって面倒)だから |
6 | 繰延資産 | A | 集計系だがパターンは限定的だから |
8 | 引当金 | A | 計算分量が多くないから |
9 | 会計方針の変更 | Aー | 詳細は問題9へ |
11 | 新株予約権付社債 | A | 普通の社債の利息法の問題だから |
13 | F・リース取引 | A | オーソドックスな問題だから |
14 | 退職給付会計(個別) | A | オーソドックスな問題だから |
15 | 収益認識 | B | 落ち着いて考える必要があるから |
17 | 税効果会計 | C | 問題文量が多いから(時間が余ればやる) |
21 | 在外子会社 | A | タイムテーブルで解けるから |
22 | 株式移転 | A | のれんを算定すればよいから |
今回は
A・A―の問題 ⇒ Bの問題 ⇒ 連結総合問題 ⇒ Cの問題(問題17)
という順番で解きました。
私は集計系の問題を、とりあえず後回しにします。
理由は、
計算が複雑で答えが合いづらい
からです。
答えが合わないと、どうしても焦ってしまいますよね。
特に集計系の問題は、
個別問題の前半(問題1~10)
辺りに集中します。
ここで焦りが生まれると
後半の問題に悪影響が及びます。
なので、まずは
そこまで計算分量が求められない論点
から取り組んで、
とりあえず落ち着きたい
というのが私の考えです。
もちろん、解く順番については、
それぞれのやり方で構わないと思います。
共通して言えることとして
財務会計論攻略のポイント
時間配分
⇒得点力(=取りやすい問題)に対して資源(=時間)を配分する
いかにミスを減らすか
⇒なるべく落ち着いた精神状態をつくる
問題の個別検討 ~解く上でのポイントと感想を添えて
では、ここから各問題ごとの検討に移っていきます!
問題1
会計公準に関する理論問題ですね。
まずイが明らかに×だと気づきます。
次にアの「演繹的方法」という表現が違うような、、、
ウとエは〇の肢ですが、過去問で見たことあるなと。
これは、正しい肢だと思いました。
私は、アとイが×で6と判断しました。
問題2
企業会計制度に関する理論問題です。
会社法や金商法は細かい規定の出題が多い気がしますが、今回は比較的読みやすい肢だったかと。
まず、私はイの「連結キャッシュ・フロー計算書」という表現が怪しいなと思いました。
ウも全部「3か月」は怪しいと思いましたが、自信は持てず、、、
最終的には、アとエに誤っている点が見られなかったので3だと判断しました。
問題3
現金過不足を求める計算問題です。
最近、現金預金の問題がとにかくややこしい、、、
ですが、今回の問題文に目を通すと、
「郵便切手・収入印紙・先日付小切手・配当金領収書・郵便為替証書…」
現金の問題ではおなじみの論点たち。
これならやる気が出ます。笑
実際に解いてみても、見た目通りの難易度でホッとしました。
問題4
本社工場会計⇒問題文長い⇒やらない。
以上。
問題5
有形固定資産の合計額を求める問題ですね。
実際解いてみても、
イチイチめんどくさいな
という印象を受けました。
Aの200%定率法はいいとして、Bですね。
論点自体に目新しさはないのですが、
電卓を入れるのが地味に面倒で時間を要しました。
Cについては、
選択肢を見ながら裏から行くやり方で検証しましたね。
(正攻法ではないですが、こういう方法も時には必要です。)
Dについては、
時価の差額分を現金にて支払った旨
を読み飛ばしてしまい、最初、金額が合わず焦りました。
(落ち着きましょう。笑)
問題6
繰延資産の問題。
また合計額かい!って思いました。笑
ですが、繰延資産の問題は、
ある程度パターンが決まっているので、飛ばさず1巡目に取り組みました。
「3文字は5年、5文字は3年」
頭ではわかっているつもりでも、いざ
「効果は10年継続する。」
なんて言われたら迷っちゃいますよね。
(特に本番の緊張感だとなおさら。)
こういう時に
日ごろから反復ができている人は、こういう時ブレない。
反復の大事さを感じた1問でした。
問題7
社債についての理論問題。
イが×だということとエが〇という判断はすんなりできました。
ですが、アが〇かどうかは一瞬迷いました。
なぜかというと、満期保有目的債券の「差額の性格が金利の調整と認められるときは~」という表現と混同したからです。(とりあえず〇寄りの△を付けました。)
残るウについて、確信は持てなかったんですが、「未償却残高を取り崩さないってのは、経済的実態を忠実に表現しているとは言えないだろう」と考え、×だと判断しました。
問題8
引当金の合計額を求める問題。
またまた集計系です、、、
集計を伴う問題は、基本
B(いけそうだけど、時間がかかるから1巡目はパス。)
という判断なのですが、これは1巡目に取り組みました。
その理由は、
工事損失引当金以外の1.~3.の引当金(債務保証引当金・賞与引当金、製品保証引当金)
については、ほとんど計算に時間を要しないから
です。
残る工事損失引当金についても、問題分量もそこまで多くありません。
問題9
遡及適用及び修正再表示の累積的評価額を求める問題。
これも集計やないかい!(何回目。笑)
私はこの問題を
A―(1巡目に手を出したいけど、状況次第でパス)
と評価を付けました。
この「状況次第」というのには2つの意味があります。
① ここまでの問題の出来
ここまでの出来が
良い場合 ⇒ 手を付ける
イマイチの場合 ⇒ 飛ばす
その理由は、
落ち着いて取り組めないから
とにかく、
落ち着いて解くこと
にメチャメチャこだわります!
② 問題自体の難易度
問題に着手はしますが、
途中で手が止まってしまった場合は、即撤退
という意味です。
どの問題でもそうだと思いますが、
手が止まってしまったら、とりあえずパス
と分かっていても、本番環境だと出来る人は少ないはず
決断力と潔さは、合格に必要な重要な要素かもしれません
問題10
アとウが明らかに誤りだったので、5だと判断しました。
アの「1株当たり当期純利益」って言葉を目にしただけで
アレルギー症状が出る方も多いでしょう。
私もその一人です。
1株当たり当期純利益を
計算としては全切りしてる方も多いはず
このような論点をどこまでやるかは、勉強進度や得意不得意などによって、各自の判断で構わないと思います。
ちなみに私は、「1株当たり当期純利益」については、
基本問題のみ手を付けて、
希薄化効果が絡む問題は、全切り
していました。(これがおススメというわけではありません。)
ただ、計算問題で軽く触れていたことによってこの問題では救われました。
イとウは監査論っぽい。(監査論の後に、監査論っぽい問題ってどうなの?)
エの遊休不動産は、頻出論点でよく見かけますね。
問題11
新株予約付社債の計算問題
しかも利息法かい!
(個人的には利息法の方が好き。)
区分法なので、落ち着いて社債の金額を求めていきます。
見た目で食わず嫌いしなければ、大丈夫かと。
問題12
金融商品に関する理論問題
恥ずかしながら、ウに関する規定が改定されていることを知らずに解いてしまいました、、、
ブラッシュアップに努めます。。。
アとエに関しては知りませんでした。
知らないものは、気にしない、気にしない。
問題13
リース会計の計算問題
ぱっと見では、
おー基本的なやつじゃん、ラッキー
と思いましたが、そうは問屋が卸しませんね。
リース料の支払日と決算日に期ズレが。
これに気付かず、解いていたら、減価償却累計額が合わず、「ん?」となりました。
ここで気づきました。危ないところでした。
そろそろ疲れてきていて、注意力が散漫になってきています。
気を付けましょう。
問題14
退職給付会計の計算問題
この問題もオーソドックスな問題です。
数理計算上の差異を当期から費用処理する
ここだけ気をつければOKですね。
アカ凸の講義では、
T勘定を使った方法
が紹介されていますが、ちなみに
私はワークシート派です。
T勘定の方も、ワークシート派の方も仲良くしましょう。笑
問題15
収益認識の計算問題
残余アプローチやん!アカ凸でやったやつ!マジ神!
と思いました(が、間違えました。泣)
実際に解き進めてみると意外と解きづらい。
収益認識攻略のポイントは、
シンプルに考える
ことです。
いろいろと考えすぎると、私のように間違えます。
問題16
収益認識の理論問題
まず、アが正しいと判断しました。
この文章は、「収益認識に関する会計基準」で最もよく出てくる条文ですね。
続いて、エの「返金負債の金額を見直さない」が明らかに誤りであることに気付きます。
イとウの判断は迷いましたが、ウに誤っている部分が見当たらなかったので、2を答えとしました。
※収益認識が苦手な方へ
「収益認識に関する会計基準」は、
国際会計基準をベースに作られているため、
使われている言葉や表現が難しいです。
基準を読んでいても
「これ、日本語なのか?」
と思ってしまう、取り組みづらい論点の代表格です。
しかし近年、
短答・論文ともに頻出論点
であり、かつ、
実務においても超重要論点
となっています。今後もこのトレンドは続くと予想されます。
つまり、収益認識を避けては通れないのです!
苦手意識のあるそこのアナタ!
今こそ立ち上がり、アカ凸と共に収益認識を制覇しようではないか!!
何を隠そう、
この「収益認識」こそ、私のアカ凸入会のきっかけ
の一つでした。
アカ凸では、この「収益認識」を
理論編9コマ、問題編27コマの全36コマ
時間にして約18時間
にわたって、丁寧に解説されていて
めっちゃ分かりやすい(マジで世界変わります。)
これを見れば間違いなく、
収益認識、いけるじゃん!
って思えるでしょう!
問題17
税効果会計の計算問題
繰延税金資産の回収可能性についての問題ですね。
演習量が多くない+問題文が長い⇒C
ただ時間が余った時には、
問題4ではなく、こちらの問題17にトライするのがベターでしょう。
問題18
減損会計の理論問題
まずイが〇肢、ウが×肢だという判断は、計算の知識を使ってできました。
残りのアとエは細かい
⇒知らないから2択で、5
⇒間違えました。泣
知らないものはしょうがない。
ですが、50%の確率まで絞れるかどうかが重要です。
(同じ鉛筆を転がすのでも1/6の確率か1/2の確率かは大きな違いです!)
問題19
研究開発費に関する理論問題
アとエが明らかに誤りなので、4と判断しました。以上。
問題20
四半期財務諸表に関する理論問題
四半期は理論頻出なので対策されている方も多かったのではないでしょうか。
(論文で計算が問われたのは、末恐ろしい出来事でしたね。)
アが×肢、イが〇肢というところまでは順調でした。
残りについては、
よくわからん⇒エの文章はよく見るな⇒〇にしよう⇒残念。
切り替えましょう。
問題21
在外子会社の計算問題
「為替勘定調整勘定」を求める問題。
タイムテーブル書くだけで終了。はい、OK!
(この後大きな落とし穴に落ちることを知る由もありませんでした、、、)
今回最大のやらかしがこの問題ですね。
連結包括利益計算書の為調」
というひっかけに見事に引っ掛かりました。
みなさん、問題文は本当によく読みましょう!
以上。泣
問題22
株式移転に関する計算問題
「取得」である限り、株式移転だろうが株式交換だろうが、連結上の「のれん」の算定方法はあまり変わりません。
取得企業を確認⇒連結上ののれんの金額を算定⇒終了
という流れです。
組織再編の論点は苦手な方、ぜひアカ凸の「短答総合問題対策講座」へ!
問題23-28
連結総合問題
論点としては、
評価差額の実現、一部売却
ですね。
問題文の分量が少ないことに一安心。
最大の敵は
税効果があること
(これを忘れると全滅します、、、)
⇒私は、「一部売却の法人税等調整額」を忘れました、、、
しかも「繰延税金資産」を求める問題があります、、、(メンドクサイ、、、)
深追いをしなければ(特に集計系)、
時間を大幅に取られるという問題ではなかった
と思います。
解けるところから解いて、
あとは個別の残っている問題に戻ります。
全体を振り返って
はい、では総得点を公開します!
144点(計算96点、理論54点)
なんとか、合格ラインには達することができました!
今回の問題を実際に解いてみて、
実力差の反映される問題
だなと感じました。
もし、いたずらに難しい問題が多いと
ラッキーパンチが当たるかどうか
で得点が変わってしまいます。
しかし、今回はそのような印象を受ける問題が少なく、
演習量がそのまま点数に反映される
そんな回だったように思えます。
では、どうすれば合格できるのか?
そのためにアカ凸では何ができるのか?
次回は、
- こんな人にアカ凸はおススメ
- お悩み別、おススメのアカ凸講座はこれだ
- 12月短答を受験された方へのメッセージ
をお伝えしたいと思います!
では、ありがとうございました!
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